これは農耕民族が多く、定住してその地でじっくり腰をすえて働くということが正しいと、代々教えられてきたからだろうか。それともおじいさんが、都会へ向かう途中の山には鬼が出るから、この村から出ていくと食われてしまうぞと言っていたからか。私は季節によって服を着替えるように、人生の節目ごとに気軽に引越をすべきだろうと思っている。例えば、ひとり暮らしは職場や学校の近くの雑踏の中で。新婚生活は二人の職場に都合の良い新しい街で。子供ができての家族の生活は、郊外の自然の中で。そして子供が旅立った中年以降は、すべてに便利なこじんまりした都会のマンションで。
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